持続可能な社会のために 食品ロス講演会
2022年6月6日 16時13分
講師を招いての講演会は本当に久しぶりのことです。お忙しい中、時間の都合をつけていただき、愛媛県東予地方局総務県民課の青野慶子様を講師にお招きして、講演を実施しました。
丁度、家庭科の授業でも習っていますが、フードロス問題についてしっかりと考える機会となりました。途中クイズ形式でみんな挙手してもらいましたが、授業で習っていたことは、ほぼ全員が正解でした。嬉しい驚きでした。みんなよく覚えていましたね。まだ習っていなかった「エシカル消費(Ethical Consumption)」についてはさすがにほとんどの人が分からないといった食いつく講演となりました。SDGsの17の目標の一つに、「つくる責任つかう責任」(目標12)があります。この目標の鍵となるのがこのエシカル消費です。エシカル消費は「人々や地域、社会、そして地球環境に配慮した買い物や、その他のお金を使う行動全般」のことを指します。私たち消費者が「つかう責任」としてSDGsに貢献できると言うわけです。エシカル消費の具体例として、寄付つき商品や障がい者支援につながる商品、フェアトレード、地産地消、被災地産品、エコ商品、リサイクル商品、資源保護等に関する認証がある商品の購入があります。日々、購入しているものの選択をほんの少し変えることが大きな変化につながっていきます。消費者の意識が変化し、問題を発生させる商品を敬遠し、持続可能な社会に近づける商品を選択していけば、企業の姿勢に影響を与えることができるということです。
また、私が担任時代に必ず道徳の授業で扱っていた「世界がもし100人の村だったら」のディレクターズエディションのDVDを教材として利用していたことを思い出しました。講演の中でも写真で出てきたガーナのカカオ農園で働く児童労働の問題です。本来なら小学校に通うはずの彼らがカカオを収穫して固い殻を割って中からカカオの実を取り出す労働を一生続けさせられるドキュメンタリーです。もちろん彼らは、そのカカオの実がチョコレートになることなど知る由もありません。その収穫した実が遠い海を渡って自分たちの同級生たちが美味しいと食べているチョコレートになるのですが、そのチョコレート自体を見たことも食べたこともないのです。その現実を見せつけられた映像が鮮明に蘇りました。
さらに、フードロスは、命を無駄にしてしまうことにも繋がります。私たち動物は、何かしらの命をいただいて、命を灯し続けます。植物や動物の命をいただいているのです。ライオンや虎のような肉食獣は満腹だと狩りを行いません。自分が食べる分だけの狩りをするのです。でも人間はどうでしょう。大量に生産したり、大量に捕獲したりして、食べられなくなったら捨てると言うことを繰り返し、日本の食品廃棄物等は年間2,550万tで、そのうち、本来食べられるのに捨てられる食品の量は年間643万tにも達します。これは世界で飢餓に苦しむ8億人の人々へ、国連世界食糧計画(WFP=World Food Programme)でが飢えに苦しむ国や地域に食料援助を続けている量、約390万トンのおよそ1.6倍にもなるのです。日本のフードロスだけでも、世界で食料援助をしている量よりの遥かに多いのです。一体何人の人々の命を救えるか・・・。
また、授業等で復習しながら、食品ロスについて、私たちに出来ることを考えて行動していきましょう。


